論理的な文章が書けない

akakko

旧ブログでは良いでしょー!?と自慢してたみさこさんから頂いた愛娘
憂いを帯びた顔が可愛すぎるハァハァ・・・。ちゃんとCDに合わせて手紙もちぎってあるんですよ。

破れた手紙のモチーフは
「手紙に記された二人の物語を私たちが盗み見る」
です。

元となるお話を公開してないから意味が分かりませんね。
一応、SSを途中まで書いてはいるので乗っけておきます。
推敲してないのでともて荒々しいです・・・後、私文章書くの苦手です。
誰かプロット渡すから書いて!(苦笑
いつかぼっちでボイスドラマ化する予定。

元ネタCD

…いつだったか目が眩むくらい色鮮やかな新緑の中で、柔らかな蜂蜜色の髪を揺らし
鈴のように軽やかな声で笑う、それはそれは愛らしい女の子に出会った。
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そして、一目で心を奪われた。
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まだ肌寒さの残る春の森の中で少年は一人、途方に暮れていた。
歳は12頃。栗色の手入れの行き届いた髪に深いオリーブ色の瞳
上質な布を使った縫製の丁寧な衣服や靴
歳に合わない穏やかな立ち振る舞いから育ちの良さが一目で判る。
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踏み出しては、また足を止めの繰り返し。迷わない様、通り道の所々で
裁縫係の部屋から拝借した真っ赤な紐を目印として枝に結んでいはいた。
しかし、その努力はいつの間にかハラリとほどけ風に飛ばされてしまったらしい。
春が運んだ暖かな風を頬に受け唇を噛み締める。
美しく爽やかな草木も今は少年を惑わす悪魔でしかない。
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「迷っちゃった…」
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少年の絶望的な呟きを他所に、梢は掠れサワサワと小気味良く鳴いた。
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するとそこへ転がるように赤色の何かが木と木の間を分け行って飛び出してきた。
よくよく見るとそれは、一人の少女だった。背格好は少年と同じくらい。
林檎の蜂蜜の様な淡い黄色の髪にけぶる様な珈琲色の瞳。
乱れたウェーブの髪を赤色のリボンで結い
同色の春らしくない厚手のケープを纏っていた。
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オリーブ色と珈琲色が互いの姿を映して、じぃと見詰め合う。
そんな空気に堪らず少女の方が駆け出し一本の太い楡の木の後ろへ回ると
顔を半分だけ晒して窺うようにこちらを見た。
いつだったか少年は自分の屋敷近くで猫を拾ったが
その時の猫の態度にとてもよく似ている。
互いに動けず、そこにじっと留まる事しか出来ない。
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「どうしたの?」
:
束の間の気まずさをうち破ったのは誰かが二人にかけた呼びかけだった。
振り返ると一人の女性が不思議そうな表情でこちらを見ていた。
先程の少女の髪をさらに透明にした様な透き通ったレモン色の髪に鮮やかな翡翠色の瞳。
ふわりとしたシンプルな生成りのワンピースに身を包んでいる。
少女となんらかの血縁関係に有ることは互いの面影がある美しい相貌から容易に想像出来た。
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女性はまず少女に目をやり、次に少年を見ると合点がいった様にゆっくりと頷いた。
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「ごめんなさいね、この子は殆ど人に会った事がないの。さぁさ怖い人じゃないわ。ご挨拶なさい。」
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少女は顔を上げ戸惑いの表情を女性に一瞬向けた後女性に促され
おずおずと少年の前に一歩、二歩と歩み出た。
そして一瞬間を置き、とろける様な笑顔で少年に微笑みかけた。
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「こんにちは」
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その愛らしさを裏切らない鈴の鳴る様な声だった。
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少年の頬にほんのりと朱みが刺す。
その様を見た少女の母親らしき女性はゆっくりと目を細めるのだった。
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「この前は有り難う。」
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その後、少年は度々、少女の元へ遊びに来る様になった。
少女は始めこそ、はにかんでいたものの、すっかり打ち解けて今では少年の訪問を心待ちにしている。
特に少女は少年が持ち寄る”お土産”に興味津々で
毎回目を輝かせながら「これはなぁに?」と尋ねるのだった。
少女は森の暮らしが長いため少年の持ってくるお菓子や玩具などの
全てが新鮮らしく飽きもせず歓声をあげて喜ぶ。
その姿を見たいがために少年も毎日の様に少女のために頭を捻るようになった。
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お土産の中でも特に少女が気に入ったのは、真っ白なスケッチブック。
何かを描く事自体が大変面白いらしく少年が七色の色鉛筆を送った所、ことのほか喜んだ。
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「私のリボンと、夕焼けと私と母さまの髪と森と空と…この色はなぁに?見た事がないわ。」
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少女はピンクの鉛筆を手にとり少年に差し出した。
桃の色だが季節ではないため少女にすぐ見せる事は出来ない。
咄嗟に思いついたのが令嬢達が身に付けていたドレスと装飾品の色合い。
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「えぇとね、ドレスや宝石の色。」
「どれす?ほうせき?」
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耳慣れない言葉だったらしく少女は目を瞬く。
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「ドレスは綺麗な洋服の事、花びらみたいにヒラヒラしてるんだよ。」
「ほうせきは?」
「星屑を集めたみたいにキラキラしてとても綺麗なものだよ。」
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少年は少女に分かるように言葉を選んで説明した。
少女は森から見える世界以外をまだ知らない。
:
「すてき」
:
少女は手を合わせると柔らかく微笑んだ。
少年の説明で、それがとても美しい物だという事は理解出来たらしい。
森育ちと言えど綺麗な物に憧れる心は
少年の側にいる少女達と何ら変わらない乙女のそれだった。
:
「いつか、僕が大きくなったら君に宝石をあげるね。」
「ほんとう?ありがとう、やくそくね。」
:
お礼のつもりなのだろう。少女はにこりと笑うと少年の額にそっと口付ける。
母親にされるよりも何倍も嬉しいのは
きっと少女が今までに見たどんな令嬢よりも愛らしいからだろう。
彼女達と違い少女は宝石もレースも花も身につけてはいないが
微笑んだ姿はどんな着飾った姿にも勝る。
:
初めて宝石を贈るなら、この愛らしい少女が良いと思った。
きっと数年経ち美しくなった少女の白い首には細かい細工を施した
桃色の可憐な金剛石がきっとよく似合うだろう。
そう想像した時、堪らなく幸せな気持ちに満たされた。
そして自分は誰よりもこの森に栖む赤い少女に夢中なのだと悟った。