ディレクターとして、アニメやゲームの公式Twitterの中の人を担当しておりますほたかけです。
Twitterでよく見る声優さんのイベントでの記念写真。
実は、あの一枚に非常に手間暇が掛けられております。普段、どんな点に気をつけて撮っているか、一連の流れをまとめてみました。
準備編:声優事務所へ前もってアナウンス
念のため、声優さんが所属する事務所のマネージャーさんにTwitter用の撮影がある事を案内しておきます。
例→「(イベント・ニコ生)開始前に公式Twitter用の集合写真を撮影予定です。当日は即出し用の写真チェックお願い致します。」
最近はマネージャーさんもSNSについて心得ていらっしゃるので特に問題は無いかと思います。(昔は掲載料云々の話になった)+αで誰とどんな撮影ショットを撮るか伝えておくとスムーズです。
まれにマネージャーさんが当日、現場にいない事もあるのでマネージャーさん同行のある・なしは事前にヒアリングしておきましょう。いない場合、●時頃に写真を送るのですぐ確認して下さい!と握っておくなど、マネージャーさんと擦り合わせておきます。(マネージャーさんによってはキャスト本人に一任する場合もあり
事務所さんによっては、撮影タイミングを明確に決めるよう求められることがあります。その際は、イベント制作スタッフと相談・調整してタイムスケジュールに撮影用の時間を設けておきましょう。
イベントの撮影タイミングによっては、出演者の中でアーティスト衣装の人と私服衣装の人が混ざる時があります(声優による主題歌歌唱がある2回まわしのイベントなど)
見栄え的にアーティスト衣装・衣装が混在するのはNGというマネージャーさんも中にはいらっしゃるので、そういったご意見を頂いた場合は、撮影タイミングを色々と検討してみて下さい。
時間に余裕があるようであれば開演前が、ヘアメイクが整っているのでオススメです。(本番後は熱い照明などもありヘアメイクが多少崩れているので)。声優さんによっては前現場終わられてから駆けつけでいらっしゃる方もいるため、イベント終了後に撮る事も多いです。
声優さん達が当日、並び順に戸惑わないように、念の為キャストクレジットの並びや演じるキャラのペア、身長などを鑑みて撮影者側で誘導出来るようにしておきます。キャストが大人数の場合は、撮影スタッフ以外に誘導スタッフも確保して事前に位置確認をしておきましょう。
当日編(1):キャスト・スタッフに撮影を予告
周りのテンションを見ながら「●●タイミングで、Twitter用の写真撮影を予定しております。」と声優さん&スタッフさんにお伝えしておきましょう。
これには理由が色々とあります。
- (終了後に撮影する場合)声優さん・スタッフさんが速攻で撤収しないようにするため
- ヘアメイクさんに、写真撮影の際、側にいてもらうため(当日いれば)
- マネージャーさんに、写真撮影の際、側にいて貰うため(当日いれば)
- スタッフさんにお尻の時間を意識して貰い撮影用の時間のバッファを持たせて貰うため~などなど。
人気声優さんは、スケジュールが詰まっていてすぐ次の現場がある~という方も多いのですが、人気の方ほどトークが非常にお上手!で話しが弾み、後ろの時間がゴリゴリ削られます(笑
後ろ倒しで終わって、すぐさま解散・撤収ムードになった現場で「ツ・・・Twitter撮影お願いします!」と後から言うのは中々しんどいです。
また、マネージャーさんには、写真チェックをお願いする事になるので初対面の方は、本番前に名刺交換&写真チェックのお願いをしておきましょう。イベントが重なるときは、普段、やり取りしていないマネージャーさんがいらっしゃる事もあります
当日編(2):スタッフ側の準備
会場によっては、写真が撮れそうなスペースが無かったり、照明が暗い可能性もあります。どのタイミングで撮るかと併せて、何処で撮るかもなるべく事前にロケハンをして確認します。
また、撮影の際に使いたい作品のロゴが入ったパネルやキャストに持って欲しい商品などの小道具などあれば、イベントスタッフさんとも擦り合わせて、すぐ出せるように準備しておきましょう。
最後に撮影用のスマートフォンの充電は万全に…!会場によっては電波環境が悪くゴリゴリ電池が削れます。特に地下に楽屋がある●●ホールや壁が厚い◯◯ホール・・・。
またイベントスタッフが少ない場合、イベント当日に様々なタスクが振って来ます。急遽振られた当日タスクに手を取られ過ぎて撮影タイミングを逸する事があります!!!!
自分以外にも空気を読んで撮影してくれる人をつくっておきつつ、撮影出来そうな近辺はタスクを頼まれないように気配を消します。
当日編(3):撮影タイム
周りのテンションを見つつ「では!公式Twitter用の撮影お願いしまーす!」とお声がけします。
この時、メイクや髪型が崩れていないかチェックされたい方がいたら、鏡で容姿を整えるお時間をとりましょう。(ヘアメイクさんがいたら、その場でお直し)
撮影の際、古いor容量が少ないスマフォだとカメラアプリがすぐに起動しない事があるのでに、前もってスマートフォンのカメラを起動させておくとスムーズです。
写真はファンのためにもキャストさんのためにも全員、最高な状態で写真に収めましょう!
キャストが多いと写真チェックも厳しくなるので、キャストさんとマネージャーさんが嫌がらない程度に複数枚を撮ります。
作品看板などの前で撮る際は、ロゴビジュアルの見切れとキャストさんのバランスを考えて撮影します。
マネージャーさんチェックでNGになり易いのは下記の6点です。
- 顔が暗い(照明的な意味で
- 目をつぶっている(or 半目)
- 歯を見せて笑っている
- 輪郭の見栄えが悪い(二重あごになっている、丸顔に見える~など)
- 写ってほしくないものが写っている
- 姿勢が悪い
スマフォのカメラはレンズの特性上、端が歪み易いです。全身を写して衣装を見せたい~などがなければ、縦長ではなく横長撮影がオススメです。
極端な例ですが端っこが歪みます
画面端にいる方の顔の歪みが気になるようであれば、撮影者が少し下がって引きで撮り、後からまわりを切り抜きましょう。
作品に関連するポーズなどがあれば、作品ポーズも頂いておくと◎。
最後の写真は連写で撮っておくと誰かが目を瞑った時の保険になります。
声優さんやマネージャーさんにも集合写真撮りたい!という方がいるので、公式Twitter用の撮影後はそういった方のサポートにまわります。時間が押して現場がピリピリしているようであれば、様子を見ながら巻き進行で撮るか、公式のみの撮影とし主催側からお写真を提供するか適宜、判断します。時間が許すようなら、なるべく各社さまに撮影して頂きましょう。
当日編(4):マネージャーチェック
速報出しの写真がある場合、声優さんがお帰りになる前にマネージャーさんへチェックを回します。(マネージャーさんの顔が分からないとここで詰む)
時間がない時は、マネージャーさん全員に集まって頂いて、スマフォorタブレットなどで一気にご覧頂いてNGあれば声を掛けて貰います。
大きい写真で見たい~というリクエストが飛ぶ時もあるので、その時は、お顔が見えるように拡大出来るようにしておきましょう。
撤収準備などで、本当にチェックの時間がない時は「(見たままの)このサイズであげますので!」とご案内するとマネージャーさんも安心されます。
マネージャーさんへ個別にチェックを回す場合は、近くにいるマネージャーさんに声を掛けていくのでも良いのですが、余裕があれば主演キャストやベテランの方のマネージャーさんからお声掛けしています(ここは都度判断
当日編(5):投稿前の準備
写真チェックが終わったら、イベント後の様々なタスクから身を隠すために気配を消します。フレキシブル対応スタッフは、イベント時にいろいろ頼まれ易いです。撤収作業中、スマフォを弄っているとサボりにも見られるので、私はトイレに籠もります。
OK写真を元に、スマフォのアプリなどを使って写真を調整します。
雰囲気を明るくする
会場によっては顔が暗くなるのでアプリで雰囲気を明るくします。
私はBeauty Plusを愛用中です。男性宣伝マンは今すぐDLすべきマストアプリ!!!!!
使い方は各レビューサイト参照。おすすめは、軽く美肌モード&Naturalフィルタ(30%くらい)です。
作品のロゴなどを入れる
作品パネルなどがない場合、アプリで記念写真に作品ロゴやマスコットキャラクターを挿入します。(RTなどで見たファンがより作品を認知してくれるようになるため)
私はロゴやSDキャラの透過PNGを大量に用意しておいて、iBisPaintで追加しています。
イラストソフトに馴染みが無い方は、透過PNG画像をスタンプ的に貼れる、Cutout Creatorという有料アプリの方が分かり易いかもです。
大きさをチェックする
(ファンが勝手にグッズを作るなど)無断流用などの危険があるため、写真は縮小して投稿します。また、背景などに余分なものが写っている場合は見栄えも考えて切り抜きます。
当日編(6):Twitter投稿
キャストさんや関連コンテンツのTwitterに先んじてアップしましょう。
ニコ生・イベント後は非常にお客さんの熱量も高いため、速報写真は投稿は早ければ早いほどRT数が伸びます。
※例外として、店舗挨拶など現在地がわかる場合は声優さんがお帰りになられてから投稿
「声優さんのTwitterでRTしたし、公式Twitterの写真は良いや〜」というファン心理があるため、出演者・関連スタッフが似た構図の集合写真をあげる前に、公式Twitterで写真を投稿するのがオススメ。
イベントの限られた時間の中でスムーズに最高の一枚を収めるため、実はいろいろな事を考えながら撮影しております。もちろん、上記のやり方が全てではなく、その時々にご一緒する方に併せて柔軟に対応していきましょう。素敵な中の人ライフを!